それなら、いっそ。


「……好きだと伝えてくれたならば。」



なんて言葉は、進路指導室に静かに響くと、消えていった。



「あー、俺も到底ばかだな。」



村井が、言葉にしないなら。

俺も、気づかないフリをしよう。