「あと、1年になると思います。」
医者はこう告げた。
“あと、1年”
それは、つまり余命宣告。
もう少しだけ…。
そう願った瞬間だった。
私はまた、地獄へと突き落とされた。
やっと、やっと生きてもいいかなって思えた。
けど、そんなことも願うことは許されない。
なんで私が…。
って、何度も思った。
私の幸せをことごとく奪い去られて行く。
私はそういう運命なのかもしれない。
やっぱり私は、幸せになんて望んではいけないんだ。
欲を持ったらいけないんだ。
じゃあ、なんで私は生まれて来たの?
なんで私はここにいるの?
ねぇ、誰か教えてよ。
誰か答えてよ。
ねぇ、誰か!!
ーーーー…。
それから、私は絶望の中でもがいていた。
一人でどうしようもなくて、何がしたいのかもわからない。
ただただ、時間が過ぎるのを見ているだけ。
余命宣告された時、親は泣いていた。
泣きたいのはこっちだと思ったが、黙って見ていた。
あの人たちも一応親なのだと思った。

