君が私を思い出せなくても。










2人仲良く手を繋いで帰っていた。


その途中で、道があるのだが
十字路のためよく注意して
通らなければならない。



家まで、あともう少しというところで、
私はサッカーボールを落としてしまった。


そのボールがその十字路のほうまで転がって行った。






「何やってるんだよー、全く」



そう言いながらも、
そのボールを取りに行ってくれた。



__その時だった。






ちょうど、横から車が来ているのが
カーブミラーによってわかった頃には遅かった。










ドンッッッッッッッッ!!!!!










「しゅ、柊ちゃんっっ!!!!!!」




私は柊ちゃんと車が
衝突した瞬間を目の当たりにした。





柊ちゃんは吹き飛ばされてしまい、
私が近くに駆け寄ってみたが
微動だにしなかった。


車の運転手の男の人が
すぐに病院へと連絡はしてくれたので
まだ助かると思いたいが、
かなり男の人も表情は曇ったまま。



私は助手席に乗っていた女の人と一緒に柊ちゃんのお母さんの元へと向かった。





救急車で運ばれる時、
柊ちゃんのお母さんは泣いていた。

だけど、私はショックのあまり
涙はでなかった。