君が私を思い出せなくても。









「あ、もしかして、他の人と回るか!
そうだよな!ごめんごめん!
気にすんな!じゃあ、教室ついたし、
またな!」


「あっ!ごめんね、ほんと!
運んでくれてありがとー!」




私がそういうと、走りながら手を上げてまたなと合図をした。







「何よ何よー。かっちゃんと何かあった?」




そう言いながら、横から晴佳が現れた。




「いや、ただ、明日一緒に回ろうよって言われただけ。結局なしになったけどね」


「えー?そうなの?もったいないー。
かっちゃんもなかなかのイケメンだし、悪くないのにー」





確かに、かっちゃんは
中学生の頃からずっとモテモテ。

でも、彼女は作らない。

1人だけ付き合ったみたいだけど、
すぐ別れちゃったみたいだし。


まぁ、告白して振られちゃった人の話によると、ずっと思い続けてる人がいるとか、サッカーに集中したいとか色々あるみたいだけど。









「なーに、ぼーっとしてんの?」


「わっ!柊ちゃん、何するのよー」




肩に手を置かれたときに
話しかけられて振り向むくと、
それと同時に、指が頬に刺さった。