君が私を思い出せなくても。










「文化祭ですね!」


「そう!そして、毎年こわーいこわい
お化け屋敷があるのさー。

し・か・も、なんと今年のお化け屋敷は俺のクラスなのだー!!!♪
君たち、いや、全校生徒を怖がらせる最高のお化け屋敷にしてやるぜっ」





異様なテンションだし、
すごーく何かを企んでいそうな予感。




オカルト好きにお化け屋敷をやらせるのはダメだよ…






「文化祭マジックに期待だな、これは!
今年は何組カップルが出来るのかなー?
楽しみ♪」




文化祭マジックとは、文化祭をきっかけに恋をしたり付き合ったりすること。


毎年行事をきっかけに付き合う人が増えたので、そう呼ばれるようになった。






「そして、杏菜ちゃんも…きゃー!」






手を顔に当てて、指の隙間から私を見てはきゃーっと叫ぶ先輩。






それで付き合えたら苦労しないってば…




「とにかく、一緒に回ろうって
言っておくんだぞ!!」


「はーいっ」






がんばるっきゃないか。


一緒に回れますように…