君が私を思い出せなくても。











結局先輩が泣き止むまで
私は先輩の介抱。


な、何をしてるんだろ、私は。







「よーし、復活したぞぉー」


「そ、それはよかったです…」






15分かけてなんとか
泣き止んでくれたと思ったら突然
黒板に何か書き始めた。





〝水野くんの心を取り戻そう作戦〟



って、そのままじゃん!!!




「ど、どうしたんですか、急に」


「いや、訳を聞いておいて
あーそうだったのかー。で終わる男じゃないよ、俺」




さっきまで泣いてた先輩とは大違い。


てか、こんなにちゃんと
先輩と話すのも始めてだし、
こんなに協力的な人だとは…





「俺もサイエンス部の部長として
人の記憶を取り戻す方法には興味あるしね」


「そっちが目的だったんですか…」


「いや、君にとってもプラスなことなんだから一種の協力じゃないか!」


「そ、そうですね。ありがとうございます」





まぁこう言われると、お互いにとっていいことだろってことね。


ありがたく思わなきゃね。