君が私を思い出せなくても。









グランドに着くと、
小学生ぐらいの男の子たちが
サッカーをしていた。




「これじゃあサッカー出来ないね」


「うん…」





柊ちゃんは小学生たちを見て、
一気に元気がなくなってしまった様子。


そんな柊ちゃんを見て、
私はすごく悲しくなった。





でも、サッカーだけじゃなくて
私はしてみたいことがあった。






「お散歩しよ!」


「え?どこを?」


「河川敷!」






そう言って、今度は私が柊ちゃんの手を引っ張って歩き出した。






いつも夕方になると、
高校生のカップルや近所のおじいちゃんやおばあちゃんが、
よくここをお散歩しているのを知っていたため、柊ちゃんとそうしたいと
ずっと思っていた。


だから私は、提案してみた。