君が私を思い出せなくても。










「あぁ、柊ちゃん。牛乳飲まないと、大きくなれないよぉ?」


「牛乳嫌いだもん」






私は牛乳が大好きで毎日飲んでいるが、柊ちゃんは牛乳が大嫌いだから
オレンジジュースを飲んでいる。






「大きくなれなかったら、サッカー選手にもなれないよっ」




柊ちゃんの将来の夢はサッカー選手。

だから私がいつも応援もしてるけど
練習にも付き合っている。



だって、少しでもいいから
柊ちゃんと一緒にいたいんだもん。





「足が速かったらなれるもんねーだ!
それより早くグランド行こうよ〜」





少し拗ね出した柊ちゃん。


『仕方ない、そろそろ行こっか!』

と、私が言うと


パッと表情が明るくなり
一目散に玄関めがけて走っていった。



私が玄関に着くと、
すでに靴を履いて準備満タン。




私が靴を履き終えると、
手を差し伸べてきた。


笑顔でその手をとり、
2人でグランドへと急いだ。