それより、
あんな態度をとるなんて、
柊ちゃんじゃない。
信じたくない。
本当に私のこと、
覚えてないのかな。
思い出してもらえないのかな。
俯いていた顔を上げると、
晴佳が恐い顔をしていた。
「なーんなのあれ!!
本当最低ね、水野!
この子は何年待って来たと思ってんのよ、全く」
「晴佳いいって!ごめんね、ありがとう」
仕方ないよね、何も覚えていないし、
あれから転校して
育った場所も変わってしまったし。
また1から、取り戻せばいいよね。
「第一印象悪くなっちゃったけど、
まだチャンスはあるって信じておくよ。
とりあえず教室戻ろ!」
なんとか明るく振る舞い、
涙が出そうだったが
その悲しみは心になんとか留めた。

