現在高校1年生。
夏休みも終わって、2学期が始まった。
「杏菜ー!久しぶりー!」
「久しぶりー!って、
ちょうど3日前に会ったじゃん」
「そうだったねっ!てへっ!」
元気に駆け寄ってきたのは
幼稚園からの友達の、和田 晴佳(ワダ ハルカ)。
アイドル系の可愛い顔をしていて、
スタイルもよし。
運動神経もよく、頭も良いまさに
才色兼備の女の子。
昔、柊ちゃんがいたことも知っている
心強い味方。
なので2人で記憶が戻る方法を探すため
サイエンス部に入部したが
集まる頻度は週一で、
未だ役に立っていない。
「なんか、元気なくない?
もしかしてまた水野くんのこと?」
「だって、朝思い出しちゃったんだもん」
「ほんとさ、一部始終忘れたことないもんね。本人に伝えたいよ」
ぽんぽんと肩に手をおき、
『元気出して』と囁いて自分の席へ戻っていった。
「柊ちゃんに言ったところで、全部忘れちゃってるけどね」
晴佳には聞こえないように、
小さくそう呟いた。