「本田さん。」

ん、誰?

やさしい声。

もう一回私の名前を呼んで。


「本田さん。起きてください。」



・・・・。



まさか・・・。



意を決して目を開けてみた。



・・・・。



「目、覚めましたか?」


津川さんが跪いて、本田の顔を覗き込んでいる。

本田は座布団の上に大の字になって眠っていた。



「つ、つ、つ、津川さん!」



本田は飛び起きて、正座した。