本田は職員室へ入る前に職員用トイレに立ち寄った。

用を足して洗面台で手を洗い、ふと顔を上げると鏡の中の自分と目が合った。



「確かに・・・。」



自分で言うのもなんだが、確かに肌はすべすべもちもち、リフトダウンしきっていた頬も若干上がっているような・・・。

死んだ魚のようだった目も確かに今は生きている。



「恋か・・・我ながらすごい!」



ここ数ヶ月、ほぼ毎日津川さんと通勤を共にしている。

二人で自転車を並んで走らせ、たわいのない会話を楽しむ。

ただそれだけの関係なのに、こんなにも効果があるなんて・・・。



本田はしげしげと自分の顔を覗き込んだ。