ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「そういう体質なのか…」

「何か言ったか?」

「いや、別に」

アレスは、野菜を冷蔵庫から野菜を取り出す。

「ほんとに野菜しか入っていないんだな…」

「当たり前だ。野菜以外ほとんど食べないからな」

「なら、とっておきのを作ってやる」

「期待しよう」

私は、近くにある魔法書を手に持ち読み始める。

「…はぁ…」

しかし、すぐに魔法書を閉じた。

「どうした?」

不思議に思ったのか、アレスが聞いてくる。

「別に…、ただ集中力が出てこないんだ」

今までこんなことなかったのにな…。

「どうやら私は、少し変わったようだ…」

「ただ熱があってそうなってるだけさ、熱が引けばいつものお前に戻るさ」

アレスにそう言われると、なんだか元気になれる気がした。

あって間もないのに、何故かこいつを信頼出来る。

「……ありがとう…」

私は、アレスに聞こえないように、小さな声でそう言った。

それからしばらくして、アレスはスープを作ってくれた。

「ほら、食えよ」

美味しそうな香りが、私に食欲をそそらせた。

「い、いただきます」

スプーンを手に取り、スープをすくって口へと運ぶ。

「お、美味しい…!」

「言っただろ?とっておきのを作ってやるって」

「これは、今まで食べたことがない…」

「おい、話聞け…!」

私は、夢中になって食べる。