ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

【ソフィア】

「はっ!」

私は、勢いよく起き上がる。

「…あ、あれ?」

あたりを見回す。

いつの間にか、窓の外はすっかり暗くなっていた。

「私…、どれくらい寝ていたんだ?」

すぐ近くにはテトが寝ていた。

私は、ベッドから降りる。

ひどく喉が乾いていたから、水を飲みに行こうとした時。

「あっ……」

部屋のソファあの上で、アレスが寝ていた。

「何でこいつ、ここで寝ているんだ?」

まさか、私を心配してずっと居たのか?

アレスの寝顔は、子供みたいでちょっと可愛かった。

「とりあえず、ありがとな…」

体の熱はいくらか引いていた。

きっとアレスがお得意の医療魔法を私にかけたんだろう。

私は、水をコップに注ぎ、それを口に運ぶ。

「はぁ……」

喉が生き返った。

どれだけの熱を体に持っていたんだろうか?

「ま、いいか」

熱は下がったし。

「ソフィア?」

「なんだ、起きたのか?」

アレスは、私のところに来ると、額に手を当てる。

「良かった…、効いたみたいだな」

「魔法がか?」

そう尋ねると、アレスはぎこちなく笑う。

「あ、あぁ…。もう動いて大丈夫なのか?」

「なんとかな、まだちょっとふらつくが 」

最初の頃に比べれば、大分楽になったと思う。

「そっか、腹減ってないか?」

「そういえば…」

朝から何も食べていなかったなぁ…。