ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「今日聞いたことは、ソフィアには秘密よ」

「分かってるさ」

テトは、それを確認すると眠りに入った。

「たく……」

俺は、椅子に座る。

とりあえず整理してみると。

俺は、魔人のソフィアによって蘇生された人間で、それは魔人のソフィアが俺を大好きだから。

しかし、魔人化したソフィアの記憶は、本来のソフィアに引き継がれない。

そのせいもあって、ソフィアの記憶は改竄されている。

魔人の力を使ったソフィアは、熱でしばらく寝込むことになる。

下手に魔法は使えなくなる。

「もう少し、魔人族について調べてみるか…」

謎はまだ多い。

何故ソフィアはこの学校の前で捨てられていたのか。

魔人族は、何故滅んだのか。

直接魔人のソフィアに聞く方が早いかもしれないが、それは辞めておこう。

「あれは、ソフィアじゃない」

人を人として見ない。

人を躊躇なく殺せる魔人が、ソフィアなわけない。

だって、ソフィアはミッシェルや他の生徒たちを守ったんだ。

それが、本当のソフィアだ。