ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「……でも、一つだけあるわよ」

「ほんとか?!」

テトは、首輪を触ると、薬の入った袋を俺に渡す。

「私が作った熱を下げる薬よ、効くかどうかは別だけど」

「でも、試す価値はある!」

俺は、水をコップに注ぐ。

「あ、それとあと一つ、くすりを飲ませる時口移しね」

「はぁ?!」

思わずコップを落としそうになる。

「だって、ソフィア寝ているのよ?」

テトは、面白そうにいう。

「いやいや…、駄目だろキスは」

「良いんじゃない?ソフィアは、貴方が大好きなんだし」

「それでも……」

俺は、ソフィアに目を向ける。

(好きなのは、こいつじゃなくて魔人で……)

「ほら、早くしないと熱上がるわよ」

「……分かったよ!」

俺は、薬を飲みソフィアに口移しで飲ませる。

「これを知られた後のソフィアが怖い…」

「言わないでおいてあげる」

「それは助かる」

ソフィアの様子を伺っていると、さっきよりも落ち着いたように見えた。

「薬効いたみたいね」

「そうだな。材料は何なんだ?」

「貴方が手に入れずらい薬草よ」

テトは、ソフィアの枕元で丸くなる。