ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

本来のソフィアも、こういう性格なら良いんだけど…。

「それで、私が何で貴方の記憶を消したかでしょ?」

「あぁ…」

そうだ、その話をしていたんだ。

「理由は、一つしかないわよ」

彼女は、俺に抱きつく。

「なっ?!」

「貴方が大好きだから!」

「お、俺が好き?!」

俺の頬が熱くなる。

「そう!大好きで巻き込みたくなかったから」

彼女は、俺から離れるとその場で回る。

「だって、貴方は私に約束してくれたのよ!」

「や、約束?」

そんなものしたっけ?

「私が十八歳になったら、結婚してくれるって」

「…はぁ?!」

それ、本当に俺が言ったことなのか?

やばい、子供って怖い…。

「だから、貴方だけ蘇生したの」

「俺だけじゃなくて、アフィアも蘇生すれば良かっただろ?」

そうすれば、ソフィアはまだ母様と一緒に居られたんだ。

「それは無理よ」

その時、彼女の瞳が血の色に染まる。

「だって、私アレス意外の人間に興味ないもの」

彼女の表情に、俺は鳥肌が立つ。

「それにあのデーモンだっけ?皆殺しにするのに一日もかからなかったわね」

「み、皆殺し?!」

「だって、この私を殺そうとしたのよ」

彼女は、それが当たり前のように言う。

(これが、魔人族なのか?人間を見下す一族なのか…?)

でも、ソフィアはそんな奴じゃない…。

「今すぐソフィアの中に戻れ!」

「えー、なんでよ」

「いいから!」