ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「アフィアは、ソフィアを庇って殺された。もちろん貴方もソフィアを庇って殺された。その時魔人族の血が覚醒したのよ」

「でも、何で俺にはその記憶がないんだ?」

蘇生させられても、記憶は残ると思うんだが。

「魔人の彼女が記憶を消したのよ」

「魔人の彼女?ソフィアと魔人化したソフィアは何か違うのか?」

「もちろん。魔人の彼女とソフィアは別人。魔人化している時の記憶は、ソフィアは持っていないわよ」

だからあの時、魔人化したソフィアは俺に微笑んだのか?

「記憶を消したのは、貴方を巻き込みたくなかったからじゃないかしら?」

「俺を?何で」

「さぁ?聞いてみたら?」

「え?」

隣を見ると、俺の隣にはソフィアが立っていた。

「うわぁ!」

俺は思わず椅子から立ち上がる。

「そんなに慌てなくてもいいでしょ」

ソフィア?なのか、彼女は椅子に座る。

「この 体になるのも久しぶりかぁ、よく私の力を抑えていたわねテト」

「私じゃなくて、アフィアよ」

「まぁ、そうね」

ソフィアは、俺に目を向ける。

「久しぶりね、アレス。ますますいい男になってる」

「なっ…、てゆか俺はお前のこと知らないんだけど」

「あら、そうだったけ?」

「記憶ないんだよ…」

とりあえず、俺も座り直す。

「何で急に出てきた?」

「楽しそうな話をしていたから」

彼女は、無邪気に笑った。