ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「俺が…、一度死んで?!冗談はよせよ」

「冗談じゃないわ。私は、この目で見たんだから」

テトは、俺の肩から降りる。

「貴方は、ソフィアに蘇生させられたのよ」

「蘇生させられた?」

ソフィアにそんな力があるのか?

俺は、自分の手のひらを見る。

俺は、一度死んでいて、ソフィアに蘇生させられた…。

「駄目だ…。頭が働かない」

蘇生なんて魔法は、この世には存在しない。

だって、蘇生技術があるなら誰でも救えるからだ。

「だから、魔人族は特殊なのよ。人間に出来ないことを、平気でやってみせる」

じゃぁ、ソフィアが高度な魔法を使えるのは、それが関係しているからなのか?

「話戻すけど、ソフィアのお母さんのアフィアのこと知ってる?」

「いや、名前は俺の母様から聞いた」

「へぇ、そうなの」

テトは、机の上で座り直す。

「じゃぁ、どうして亡くなったか聞いてる?」

俺は、首を左右に振る。

「そこは聞いてないのね、じゃぁ話してあげる。ソフィアのお母さんは、殺されたのよ」

「殺された?!」

なんでまた……。

「ソフィアの中では、病死扱いされてるけど、現実は違う。ある組織に殺されたのよ」

「ある組織?」

ある組織ってなんだ?

まさか、教団のことか?

「ある組織ってのは、“デーモン”と呼ばれる組織」

「デーモン?」

聞いたことがないな。

「奴らの狙いは、ソフィアだった。奴らは、ソフィアが魔人族だってことを知っていたのよ。何処から仕入れた情報か分からなかったけど」

「そうか……」

禁断の図書室に行けば、そのことについての資料がありそうだな。