ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

テトは、目を細める。

「まさか、ソフィアを殺す?」

俺は、左右に首を振る。

「そんなわけないだろ、もしそうならとっくに殺ってるさ。俺は、ソフィアが何者なのか知りたいだけだ」

「ふーん…。ま、いいわよ。話してあげる」

そして、テトは再び俺の前に来る。

「でも、この事はソフィアには言わないで」

「何で?」

「記憶が壊れるから」

「は?」

何を言ってるんだと思った。

「彼女の記憶は改竄されているから、変にいじくらないで」

「あ、あぁ…」

そこまでする必要があるのか?

そんな疑問を抱いたが、後に回すことにした。

「とりあえず、彼女は貴方の言う通り、魔人の血を引く純血種よ」

「ま、まじかよ…。てっきり混血児かと思ってたけど」

本物の魔人――。

「魔人族は、もう彼女しか居ないはずよ」

「え…」

「魔人族は、大昔に滅んでいるからね」

「じゃぁ、何でソフィアだけ…」

テトは、俺の方の上に座る。

「それが分からないのよ」

「はっ?」

テトは、眠るソフィアに目を向ける。