ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

【アレス】

「おっと」

俺は、倒れ込むソフィアを支える。

ソフィアは、寝息を立てていた。

「こんな状況で寝るなよなぁ…」

とりあえず、ソフィアをベッドに戻し布団をかける。

「やっと魔法が効いたか…」

俺は、ソフィアの目が覚めるまで、この部屋に医療魔法の一つ、眠りの粉(スリープ)をかけていた。

流石に体調が悪いソフィアでも気が付かなかった。

「バレなくてよかった…」

こいつの熱の原因は、多分あれだろう。

「魔人の力か……」

「あら、何で分かったの?」

いつの間にか起きていたテトが、机の上に座って尻尾を振っていた。

「……あんた、一体何者だ?」

「さぁ、何者かしら?魔法探偵の力を使って推理してみてよ」

テトは、笑う。

でも、それは俺を見下しているようにも取れた。

「…今じゃなくてもいい、お前の口から言わせてやる」

「そう?つまんないわね」

「なぁ、教えてくれテト」

俺は、テトの目の前に座る。

「ソフィアは、魔人族なのか?」

「……」

テトは、黙って窓の方へと歩いていく。

「貴方は、それを知ってどうするの?」