ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

アレスは、懐から手帳みたいな物を取り出す。

その中には、魔法協会の印が押されていた。

「これがあれば、お前が入りたがっているところに簡単に入れる。だけど、その時は必ず俺もいないといけない」

「それがあれば、もしかして禁断の図書室にも……」

「人の話聞け…」

アレスは、手帳を懐に戻す。

「お前の言う通り、禁断の図書室にも入れる。しかも、理事長から許可は貰っている。鍵もここにある」

「本当か!!」

でも、お父様がアレスを禁断の図書室に入る許可を出したのには、ちょっと納得行かないが……。

それでも、こいつの助手になれば、禁止の図書室にも入れて、教団の情報も掴める。

今の私にとっては一石二鳥…。

「んで、どうする?お前が俺の助手になれば、やりたい放題だぞ」

アレスは、笑って私を見下ろす。

そんなの―――。

「分かった…。お前の助手やってやる」

「はい」としか言えないだろ!

「よーし言ったな」

アレスは、違うポケットから紙を一枚取り出す。

「何だこれ?」

「契約書だ」

「契約書?!何でそんなもの書く必要がある?!」

「一応魔法探偵の助手って事になるからな、それなりに契約書が必要なんだよ」

ど、何処まで完璧にさせるつもりだこいつは……。