ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「奴ら…、黒の魔法教団の狙いは、俺達の体の中にある魔法のコア――ロゼだ。ロゼが何なのか、昨日授業で聞いたよな?」

「あぁ、でも何の為にロゼを集めているんだ?」

「俺の予想は二つ、一つ目はロゼを使った大規模なテロ、二つ目はヴェルト・マギーアの完成」

「え?!」

ヴェルト・マギーアの完成だと?

「サルワが言っていた、ロゼを使ってヴェルト・マギーアを完成させると」

「ヴェルト・マギーアを完成させるなんて無理だ。どれだけの魔力を使うか分からない魔法だぞ」

「だから、ロゼを集めているんだ」

「ロゼを一つのロゼにするのか?」

私がそういうと、アレスは頷く。

「でも、二つ目の方が可能性が高い」

「だから私にヴェルト・マギーアが何か聞いたのか」

「そうだ」

「だが、ロゼは抜かれたら死ぬんだろ?」

アレスは、私から目をそらす。

「その報告書には書いてなかったが、ロゼを抜かれた者は、十日後に死ぬ」

「なぜ死ぬんだ?ただロゼを抜かれただけだろ?」

「ロゼは、大気に浮かぶマナで回復するんだが、この事は知っているよな?」

「もちろんだ」

私は、大きく頷く。

「でも、マナを入れるロゼがないと、マナは体の中で残る。そうなると、マナは毒になる」

「毒になる?」

「マナは、ロゼの中で魔力へと変わるんだ。でも、魔力へと変わらないと有害な物質のままなんだ」

「そうなのか、それがたまって」

「毒になって、体を死に至らせる」

マナが有害な物質と聞いたことはあった。

しかし、人の体を死に至らせるということは知らなかった。