ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

アレスは、私の傍に来ると、私の額に手を当てる。

「うーん…、まだ熱があるな」

「熱…だと?」

何で私の体が熱を持っているんだ?

「私は風邪でも引いたのか?」

今まで風邪なんて引いたことないのに。

「いや、多分違う。お前さ、昨日のこと覚えてるか?」

「昨日?」

黒の魔法教団が学校を襲ってきて、私はロゼを抜かれそうになって。

私は、自分の胸に手を当てる。

「私は、ロゼを抜かれたのか?」

「覚えていないのか?」

思い出そうとしてみるが、頭が働かない。

それに、私の記憶は曖昧だった。

「覚えてないな、気がついたらここに居たとしか…」

「そうか。でも安心しろ、お前のロゼは抜かれていない。それと、無理に思い出さなくていい」

アレスは、近くにあった椅子に座る。

「なぁソフィア、お前はヴェルト・マギーアって知ってるか?」

「ヴェルト・マギーア?」

その言葉を聞いて、何故か頭が痛んだ。

でも、その言葉の意味は知っていた。

「それは、“世界の魔法”だ。世界を作り出す魔法とも呼ばれている。しかし、その魔法が実在するかどうかは不明だ」

「よく知ってるな!何処で聞いたんだ?」

「さぁな、覚えていない」

何処で聞いたのか覚えていない。

「そうか…、とりあえずお前は寝てろ」

と言うアレスの言葉を無視し、私は立ち上がる。

「っておい!そんな体でどこ行くんだよ!?」

「教室だ、呑気に寝ていられないからな」

私は、壁に手を当てながらゆっくりと歩く。

昨日の闘いで、私は自分の力の無さに絶望した。

もっと勉強をして魔力を高めなければ。