ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「なら!」

今度は、空に手をかざす。

「雷撃(サンダー)!」

黒い雲が立ち込め、雷撃がワイバーンに直撃する。

「ドラゴンなら、雷撃は効くはず」

これで効かなかったら化物だ。

「青雫にして高度な技を使うとは、中々いいロゼを持っているな」

土煙の中から声が聞こえた。

「誰だ!」

靴の音が響き、土煙の中から数人のフードを被った者たちが現れる。

「我々は、黒の魔法教団」

中の一人がそう言うと、その者だけを置いて、他の者は姿を消した。

「黒の魔法教団だと…」

「アレスが報告書に書いていた組織ね」

隣でテトがいう。

「もしかして、君はこの魔法学校のソフィアかな?」

何故私の名前を?

「だったらどうする?」

「これは運がいいなぁ」

フードを被った男は、天を仰ぐ。

「この学校には、私が求めているロゼを持つ者たちが多い」

男は、手を広げる。

「さぁ、ロゼを奪い尽くすのだ!」

男の言葉と元に、土煙の中から数十匹以上の小龍とワイバーンが姿を現す。

「なっ!」

「君は、この学校で特別なロゼを持つ子だ。私は、君のロゼが欲しい…」

「私のロゼを?」