ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「私もそれを抜かれそうになって、ソフィアが助けてくれたの…!」

俺は、学校に目を向ける。

ワイバーンは、学校のあちこちに炎を吐いている。

「そいつらは、どこにいた?!」

「東の塔の方だよ」

俺は、学校の中へと走り出す。

「アレス君?!」

「お前達はもっと遠くに逃げろ!俺がソフィアを助ける!」

今から向かって間に合うのか…。

てゆか、東の塔って何処だ?!

俺の姿を見つけた小龍の数匹が、俺に向かって来る。

「邪魔すんなよ!」

俺は、小龍に手の平を向ける。

「炎の玉(フィアーボール)!」

炎の玉を受けた小龍は、その場に落ちる。

そこで、俺はある事に気づいた。

「これは…」

目の前で燃えるはずの小龍は、燃えておらず、灰となって消えた。

「ということは……」

これは、召喚魔法?!

とするなら、あのワイバーンは――。

「た、助けてくれ!」

「きゃぁぁぁ!」

奥の方で悲鳴が聞こえる。

「まだ逃げく遅れてる奴らがいるのか!」

俺は再び、東の塔の方へと向かった。