ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

学校の屋根の上には、ワイバーンが居て、空に向かって吠えていた。

「何でワイバーンがあそこに…」

学校の外には、既に数十名の生徒達が避難してきていた。

俺は、その中でソフィアの存在を探した。

しかし、ソフィアの姿はなかった。

「ソフィア!」

「アレス君!」

ソフィアを探していた俺のところに、一人の女の子が来る。

「君は、確か…」

同じクラスメイトの、ソフィアの隣に座っていた。

「ミッシェルだよ!お願い、ソフィアを助けて!」

「え?!」

ミッシェルは、ワイバーンに目を向ける。

「あのワイバーン以外にも、小龍が数匹学校の中に居て、ソフィアは私を助けるために…」

ミッシェルは、そこで言葉を詰まらせる。

「ソフィアがどうしたんだよ?!」

ミッシェルの頬に涙が伝った。

「おい!詳しく話してくれ!」

俺は、ミッシェルの肩を揺らす。

「あのワイバーンや小龍は、何処から出てきたのか分からないの」

「分からない…?!」

「それに、フードを被った変な人たちが現れて、生徒達の体から何かを抜き取っていたの!」

俺の嫌な予感は的中した。

それは紛れもなく黒の魔法教団だ。