ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「そんなの分かってるさ」

私はもう一度紙に目を戻し続きを読む。

『魔法使いの話を聞いて一週間が過ぎたが、体にはなんの変化も見られない。
しかし、この調査で分かったことがある
奴らは、魔法のコア…ロゼを狙っている。
それに、そのロゼの存在が大きいものを狙う。
これを世間に公表したら、人々は混乱に陥る。
これは隠密にしなければならない』

(あいつは馬鹿なのか?次の犠牲者が出てから公表したのでは遅いのに)

いや、でもあいつは次の犠牲者が出たところで、この事件を公表する気はないだろうな。

そんなに隠して何か意味があるのか?

「まぁいい、とりあえず寮に戻る」

「ええー!追いかけないの?」

「めんどくさい。それに、あいつを追っても素直に喜んで話してくれるとは思わない」

「それもそうね」

私たちは、寮へと戻った。

私は、この時知らなかった。

このあと起きる悲劇を―――。