ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「どこから持ってきたか知らないが、一応目は通す」

「素直に見たいって言えばいいのに」

テトは、口に手を当て軽く笑う。

「うるさい」

折りたたまれた紙を広げ、順に読んでいく。

（これは、何かの報告書？）

そこには、こう書かれていた。

『黒の魔法教団の捜索を始めて三ヶ月、また新たな犠牲者が出た。
狙われたのは、隣町の緑雫を持つ魔法使いだ。
話を聞くと、フードをかぶった数名の男女が突然襲ってきたという。
魔法を使って抵抗をしようとしたが、抵抗する前に体から何かを抜かれるのを感じた。
気がつくとその魔法使いは、魔法を使えなくなっていたという』

「な、なんだこれ？！」

これは、さっきアレスが授業中に書いていたのと同じもの？

「アレスの家は、昔からの魔法探偵らしいわよ」

「それは知っているさ。という事は、あいつは魔法警察に手を貸しているということか？」

「それも考えられるわね、私が調べたところ、アレスはその黒の魔法教団に相当な恨みを持っているみたいよ」

あいつと黒の魔法教団の関係なんて私には関係のないことだ。

しかし、なぜこのことを世間に知らせない。

（隠密捜査ということか？）

「まぁ、詳しくは彼に聞くことね」