ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

(これは、詳しくこいつから聞く必要があるな)

そして、その日の授業は終わり、私たちはそれぞれの寮へと帰る。

アレスは、あの後変わらず普通に授業を受けていた。

「黒の魔法教団か……」

名前からして黒魔法を使う団体のことだろう、しかしロゼの収穫というのはどういうことだ?

それに、それを抜かれたものは死ぬというアレスの言葉も引っかかる。

「そのことについて話を聞こうとしたのに……。あいつはどこに行った?!」

授業が終わってからというもの、あいつはすぐにどこかへと行ってしまった。

「なんなんだあいつは!私に学校案内を約束させておきながら、何も言わずにどこかに行くなんて!!」

「あらあら、いつの間にそんなに仲良くなったのかしら?」

「テト…、ここには来るなと何度も言っただろ?」

「でも、何度言われても見つかったことなんて一度もないでしょ?それに今はあなた一人じゃない?」

「それはそうだが…」

私に使い魔が居ることを知っているのは、担任であるシュー先生とお父様とその関係者だけ。

使い魔が居るなんて知られたら、学校中になんて噂が立つか分からないからな。

「アレスを探してるんだったら、学校の外に出てみたら?」

「はっ?なんで学校の外に?」

「だって、彼急いで校門を通って行ったから」

「何を言っている、この学校の生徒は夜には全員寮に戻るのが掟だ、それをあいつは破っただと?」

「そういうこと。あと面白いもの拾ちゃった!」

テトは、首輪を軽く肉球で触れると、折りたたまれた一枚の紙を取り出した。

「これはアレスの?」

「彼についての情報だけどいる?」

こんなものをどこで拾ったんだ…。