ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「あぁ、そうだよ!!」

私の声に驚いたのか、アレスは振り返った。

「アレスの言う通り嫌だよ、お前の校内案内役なんて。だけど、先生に言われたんじゃやるしかないじゃん」

「先生の言うことなんて聞かなくても…」

「うるさい!この私があとで案内してやるって言ってるんだ!!光栄に思えよ!」

私は、アレスをじっとみつめる。

「…。たく、そこまで言うならお願いするよ」

「授業が終わってからな」

「分ってるよ」

その時のアレスの笑顔は、懐かしく感じた。

(そういえば、アレスはよく笑ってたっけ?)

あまり覚えていなかった記憶だけど、今なら少しだけ思い出せる。

いつも私の手を引いて、いろんな所に連れて行ってくれた。

(お母様が亡くなったあの日も)

そのとき一瞬だけ私の頭に痛みが走った。

(何だ今のは?)

「ソフィア?」

「……?なんでもない」

気のせいか……?

そう思い込み、私とアレスは教室のある別棟へと向かった。