ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「もうあれから十年がたつのか」

「はい」

俺がまだ六歳の時、俺は一定期間理事長のところで世話になっていた。

「まさか、君が魔法探偵になっているとは、驚いたよ」

ここ数日、魔法新聞に俺の記事が載っていた。

記事の内容は、俺がある事件を解決したことだ。
 
ある事件というのは、黒の魔法教団と名乗る団体のことだ。

だが、新聞の記事には通り魔を捕まえたとなっている。

理由はもちろん、俺がそう書くように言ったからだ。

「そんな事ありません、俺の家は昔から魔法探偵をやっていますから」

「でも、頼もしいかぎりだよ」

「いえいえ、それにこちらこそありがとうございます。俺をこの魔法学校に招いてくれて」

「アレス君には、小さい頃からソフィアが世話になったからね」

「ソフィア…」