「そうだな」

「なら飛んでいかない?」

「テト、さっきも言ったけど誰かに見られたらどうするんだ?」

「私もさっき同じこと言ったわ。ソフィアならそんなの気にしないでしょ?」

数秒間テトへと視線を向け、軽く溜め息をこぼしてから、私は軽く宙を浮く。

「この魔法、本来なら青雫の段を持つものが使うには早い魔法だが、いいか別に」

「そうそう」

テトは満面の笑みで私を見てくる。

(本当、変なやつ)

私はそのまま、お父様の部屋へと向かった。