ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「お前は、お前だろ!ソフィアだろ!」

ソフィアは、顔をあげる。

「魔人でもない!お前は、ソフィアだろ!!力なんかに、飲み込まれるな!」

「……」

ソフィアの頬に涙が伝った。

「あ…、アレス……」

ソフィアの瞳から涙が溢れる。

俺は、片手で本を開いて詠唱を始める、

「星々の神々よ、我は神の使いなり」

「星々の神々よ、我は神の使いなり」

俺の言葉に続いて、ソフィアも詠唱を始めた。

「汝達よ、我の声が聞こえたなら応えておくれ」

「汝達よ、我の声が聞こえたなら応えておくれ」

俺達の体が光を放ち始める。

「汝達の力を集結させ、我に力を与えたまえ」

「汝達の力を集結させ、我に力を与えたまえ」

俺達は、一緒に言葉を呟く。

「幸福の星屑(ハピネス・アマ・デットワール)」

ソフィアの体は、青い光にまとう。

そして、その光は天へと上った。

青い光は、一つの光の玉へと変わると、流星のごとく散らばり始めた。

「そんな…、ばかな…」

サルワは、膝をついて座り込んだ。

「上手くいったわね」

テトが俺の肩の上にのる。

ソフィアの髪の色も、元の翡翠色へと戻った。

(魔人のソフィアは、中へと戻ったか…)

その時、ソフィアの体が急に重くなった。

「おわっ!」

俺は、急いで体を支えた。

(無理もないよな、ロゼの入れ物にされたんだ…)

そんなことを思った俺だったが、ソフィアは俺のシャツを掴んだ。

「ソフィア……?」

ソフィアに呼びかけてみたが、ソフィアは頭を左右に振っただけだった。

「おい、ソフィア?」

「アレス、静かにして」

「え……」

俺はこの時ようやく気がついた。

ソフィアは、泣いていたんだ。

必死に泣く声をおさえて、俺の存在を確認するように、シャツを掴む力を強めた。

「うぅ…」

俺は、ソフィアを優しく抱きしめた。

「我慢するな、俺はちゃんとここにいる。だから、泣きたかったら泣けよ」

その言葉で安心したのか、ソフィアは声をあげて泣き始めた。