ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

サルワも拳を構え、お互いの拳がぶつかり合う。

「ソフィア…」

テトが私の名前を呼んだのに気づき、私はテトに目を向けた。

「大丈夫だよテト、こいつを殺したら、この教団ごとここを潰すから」

私は、にやりと笑ってサルワに殴りかかる。

「このままじゃ、ソフィアの意識が消えちゃう!」

私は、もう一人の自分の意識が消えることなんてどうでも良かった。

それよりも、消えてもらった方が楽だ。

もう一人の私の意識が消えれば、この体は私のものになる。

アレスを私のものにできる。

「魔人族は、拳で闘う種族なのか?」

サルワが私にそんなことを質問してきた。

「別に魔法が使えないってことはないけど、私達魔人族は、人間と同じ闘い方をしたくなかっただけよ」

「今でも人間が憎いか?」

私は、こぶしに黒いオーラをまとわせる。

「そうね、憎いよ!」

私の拳は、サルワの腹へとぶち込まれる。

「がはっ!」

「だって、人間は――!!」

サルワは、勢いよく後ろへと飛ばされる。

「人間は、私達魔人族を、滅ぼしたじゃない…」

もう一人の私に記憶はなくとも、私には記憶がある。

あの事を思い出しただけで、腸が煮えくり返る。

「なら、だからこそ私に力を貸さないか?」

「私の人間が憎いという気持ちと、貴方が世界を創造することと、何か関係でもあるのかな?」

「だからさ」

「?」

どういうこと?

「君の中には、私が今まで貯めてきたロゼの全ての力が入ってる。それを使えば、君が創造する世界を作ることだって出来る」

「……」

私は、何も言わずサルワの言葉を聞いた。