ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

【ソフィア】

誰かの声が聞こえた気がした。

だけど、目を開けたくとも開けられない。

体がぐったりしている。

さっきのコウモリに噛み付かれたところが痛む。

「ソフィア!」

アレスの声が聞こえた。

(アレス……?)

私は、ゆっくりと目を開けた。

どうやらまた、私の体の中にロゼが注がれているようだ。

(視界がかすむ…)

「アレス!しっかりしなさい!」

(テト……?)

テトの声も聞こえた。

どこから聞こえるんだ?

私は、テトの声がする方へ目を向ける。

私の瞳には、倒れているアレスが映った。

(アレス…?)

視界がはっきりした時ようやく気がついた。

アレスの周りは血の海になり始めていて、アレスの服が血塗れになっていた。

「あ、れす?!!」

その光景を見た時、私の体が大きく脈打つ。

「アレスが…、そんな……」

アレスが死んだ?

そう思った時、小さい頃の記憶が頭の中を過ぎった。

「あ、頭が!」

頭が割るように痛かった。

私は、何か大事なことを忘れている気がした。

「もう少し、力を強めてみるか…」

サルワの言葉で、私の胸もとに刻まれた魔法陣が赤く輝く。

「ああああああ!」

体に再び激痛が走る。

「あああ…、あ…ああああああ!!」

体の中で私のロゼの容量が限界に来ていた。

今にも破裂しそうな感じを覚えた。

だけど、私はそんなことよりもアレスのことを考えた。