ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「お前達がいくらあの娘を助けようとも、それは無理なことだ」

「お前を殺せば、全て終わることだ!」

ムニンの腕が狼の腕へと変わり、サルワの体を引き裂こうとした。

だが、ムニンの動きはサルワの手前で止まった。

「くっ、なんだこれは?!」

「悪魔の目(ディアーブルアイ)」

ムニンは、サルワの魔法によって動きを止められてしまった。

「残念だ魔法探偵。もう少し楽しませてくれると思ったが…、期待外れだ」

サルワは、魔法陣の元へと歩いていく。

「そこで見ているがいい、ヴェルト・マギーアが完成するその瞬間を」

魔法陣は、更に輝きを強めた。

そして、ロゼの結晶も輝き始めた。

(このままだと、ロゼがソフィアの中に!)

あれだけのロゼの結晶が、ソフィアの中に収まりきるわけがない。

ソフィアの体が壊れてしまう。

俺は、ソフィアの所へと駆け寄る。

だが、俺の体は見えない結界で弾き飛ばされた。

「うわぁ!」

「何やってるのよアレス!」

俺は、立ち上がりソフィアの名を叫ぶ。

「ソフィア!目を覚ませ!」

しかし、俺の声はソフィアには届かない。

「ソフィア!このままだと、ヴェルト・マギーアが!」

ソフィアの体はぴくりとも動かない。

「ソフィア!俺の声が聞こえないのか!」

「アレス…」

「いくら呼びかけても無駄だ」

俺は、その時ソフィアの胸元に魔法陣が刻まれていた事に気がついた。

(サルワのやつ!)

なんてことを…。

「さぁロゼよ、その力を魔人のチカラの一部とするのだあ!」

俺は、サルワに向けて手をかざす。

「雷撃(サンダー)!!」

雷がサルワの体に直撃する。

しかし、サルワには効いていないようだった。

「そんなばかな…」

「本当に貴様は、私の邪魔をしてくれるな」

サルワの背中に黒い剣が三本現れる。

「少し寝ていろ」

サルワの言葉と共に、黒い剣は俺に向かって飛んでくる。

「闇の剣(ダークソード)」

「反射(リフレクション)!」

闇の剣を跳ね返そうとしたが、闇の剣は反射を突き破ってきた。

「なっ!」

そして、三本の闇の剣は俺の体を貫いた。

「かはっ!」

「アレス!」

「アレス!!」

俺は、そのまま後ろへと倒れた。

「……く……そ…」

意識が薄れていく。

俺は、ソフィアに手を伸ばす。

「ソフィア…」

近くでテトの声が聞こえるが、俺の意識はそこで途絶えた。