ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「どうやら、この魔法陣を使ってソフィアにロゼの力を注いでいるみたいだな」

「正解だ。君の使い魔達は中々優秀だ」

「貴方に褒められても嬉しくないんだけど…。ソフィアを離しなさい」

「それは、無理なお願いだ」

サルワは、俺達に手をかざす。

「まずい!」

俺は、ムニンとテトを抱き上げる。

「闇の波動(ダークウェーブ)」

闇の波動が俺達めがけて放たれる。

俺は、それを避けるために長椅子の後ろへと飛び込む。

「それで隠れたつもりか!」

俺は、作戦を頭の中で模索していた。

どうすればソフィアを助けることが出来るのか。

「おいアレス、お前はソフィアを助けろ」

「ムニン?」

「あいつは、俺が引き付けてやる」

ムニンは、小さな狼の姿から、今度は俺と同い年くらいの青年へと姿を変えた。

「お、お前その姿は?!」

「俺だって人間くらいなれるさ、もちろんテトもな」

「え?!」

それは、テトへと目を向ける。

だが、テトは何も知らないように毛づくろいをしていた。

(こいつ、絶対隠してるな…)

「いいかアレス、俺が時間を稼ぐ、その間に、お前はソフィアを救出しろ」

「わ、分かった!」

「それじゃあ、行くぞ!」

俺は、テトを抱き上げムニンと逆方向に走り出す。

「何を考えているか知らぬが、お前では私には勝てないぞ」

「それはどうかな…、ムニン!」

ムニンは、サルワに飛びかかる。

「破壊の牙(ブレイクファング)!」

ムニンは、サルワの腕に噛み付く。

「くっ…!」

俺は、その隙にソフィアの腕を縛っている紐めがけて魔法を構える。

「炎の矢(ファイアーアロー)!」

二本の矢は、ソフィアめがけて飛んだ。

しかし――

「無駄なことだ」

炎の矢は、見えない結界に弾かれた。

「結界だと?!」

「サルワのやつ、私達をソフィアに近づかせない為に何かを…!」

テトは、サルワを睨みつける。