ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

ガシャーン!

ステンドグラスへと突っ込んだ俺達は、ガラスの破片と共に下へと落ちる。

下を見た時、俺は嫌な力を感じた。

それに、もう儀式は始まっていた。

ムニンのお陰で怪我なく降りられた。

だけど、そんなことよりソフィアのことが心配だった。

「ソフィア!」

俺は、紐で吊るされているソフィアの姿を見つけて駆け寄る。

「待ちなさいアレス!」

「待ってられるかよ!だって、ソフィアがっ」

俺は、ソフィアの姿を見て絶句した。

「なっ……」

ソフィアの体からは血が流れ、ソフィアは気を失っているように見えた。

「なんだ、もう来たのか?」

サルワが教壇の上へと登る。

俺は、そんなサルワを睨みつけた。

「ソフィアに何をした!」

「なぁに、ちょっとした調教だよ」

俺は、後ろにあるロゼの結晶をチラッと見る。

(どうやら、儀式は中断されてるみたいだな…)

少しだけホッとした。

だけど、儀式が中断されていても現状は変わらない。

急いでソフィアを助けないと!

「お前がここに来ることは想定内だ。だから、待っていたのだ」

「待っていただと?」

サルワが指を鳴らした時、俺の足元にが書かれていた魔法陣が輝く。

「なっ!」

俺は、急いで後ろへと下がる。

「なんだこれは!」

「ヴェルト・マギーアの魔法陣よ」

テトがゆっくりと俺のところに歩いてきた。

「なんで分かるんだよ」

「なんとなく」

なんとなくで済まされたのには、納得いかないが…。