ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

服を買っていない、という訳ではない。

服はお父様が買ってきてくれるが、全てお父様の好みばかりだから、私は余り着ていない。むしろ着たくない!

「はぁ…はぁ…」

息を整えながら、学校の中庭へ出たとき、人影が見えた。

「誰だ?こんな朝早くに」

「それはソフィアも同じ」

「これは私の習慣だ」

周りは霧が立ち込めていたため、後ろ姿しか見えない。

「確かあそこには、知恵の神エアの銅像があったはずだが」

「ただ見ているだけでしょ、時間無くなるよ」

「そうだな」

少し気になったが、私は自分のやることへと戻った。