アレス達がここに向かって来ているなら、私はアレス達が来るまで時間を稼ぐ。

たとえ、体が壊れようとも、魔力が尽きようとも、こいつらの思い通りになんてならない!!

「抗うのなら、こちらも考えがある」

サルワが指を鳴らすと、一匹のコウモリがサルワの肩の上に乗る。

「こいつは、私の使い魔だ。さぁいけ…」

コウモリは、パタパタと飛ぶと私の体に元へと来る。

「そいつは使い魔の中では、とても凶暴な子でね」

コウモリは、私の肩の上に乗る。

そして――

「ああああああ!!」

コウモリは、口を開くと私の肩に思いっきり噛み付いたのだ。

激痛が体に走り、一瞬意識が飛かける。

「言っただろ?凶暴な子だと。そのコウモリは、人喰いコウモリでね。魔力の高い人間を喰うことを望む」

「くっ…うぅ!」

コウモリの牙が、更に私の体に食い込む。

「きゃぁぁ!」

なんだこいつは…。

神の守りを突き破って、私の肩に噛み付いただと!

そんなことが出来る使い魔なんて、いるはずが…。

(まさか…、サルワが何かしたのか?)

肩から流れる血は、私の腕を伝って指先から血の雫が魔法陣の上に落ちる。

すると、魔法陣は赤い輝くを放った。

「さぁ、君が何処まで耐えられるか楽しみだ」