ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「なるほど、大体のことは分かった。まずは、その仮契約中のムニンの魔法を使って、忘却の山に入るのね」

「だけど急がないとやばいな。ソフィアがヴェルト・マギーアを完成させる鍵だとしたら、世界が滅ぶ魔法が完成するんだろ?」

フィアはともかく、ロキがまともな事を言ったので少し驚いた。

「とにかく時間がないんだ。ムニン、俺達に魔法をかけてくれ」

「あぁ」

ムニンは、瞳を青色に輝かせ、一人づつ俺達に触れる。

体に魔法が注がれている感じがして、少し不思議だったが、これなら記憶を失わずに済む。

「終わったぞ」

「ありがとうムニン、これで契約は終わりだ」

「…」

ムニンは、じっと俺を見てくる。

「どうした?俺になにか付いてるか?」

「もう少しだけ付き合ってやる」

「え…?」

まだ付いてきてくれるのか?

てっきりこれで仮契約解除になるかと思った。

「良かったじゃない。ムニンが本契約を考えてくれるらしいわよ」

「え、そうなのか?」

「まぁな、本来なら俺とお前の仮契約は、魔法をかけた時点で終わりだ」

本契約を考えてくれるのはありがたいけど、でも何で急に?

「だけど、まだ検討中だ。お前が俺の理想通りの男なら、本契約をしてやる」

「り、理想の男?」

「ここからがアレスの見せどころよ。ムニンと契約出来るように頑張ってね」

「その前に、ソフィアさんを助けるんでしょ?」

フィアは、剣を抜き俺の横を通り過ぎる。

こういう任務になると、途端にやる気出すよなぁ…。

「ほら、行くわよ」

「先に行くなよ!」

「俺よりも、男勝りなフィアの方が男の一人も出来ない気がするけどな」

ボソッとそんなことを呟いたロキに、フィアは石を投げつけた。