ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

サルワは、指先で私の肌に触れる。

「本当に美しい肌だ。これが、魔人族の美しさの一つか」

「魔人族…だと?!」

何を言ってるんだサルワのやつは?

魔人族なんて、何百年も前に滅んだ一族だぞ。

「私は…、魔人族なんか…じゃない!」

息を整えながらそう答える。

私が魔人族なはずがない。

こいつは、勘違いをしているんだ。

「なんだ、無自覚なのか?」

サルワは、近くにいた教団の一人からペンを貰うと、それを私の肌に向ける。

「どういうことだ…」

「君は、ヴェルト・マギーアを作る鍵なんだよ」

「鍵…だと?」

サルワは、ペンから熱の放射線を出し、私の肌に魔法陣を掘っていく。

「や…やめ……!うわぁ!」

「私は、人造人間の実験をしていくうちに、気がついたのだよ」

サルワは、魔法陣を掘りながら話し出す。

今の私にそんな話しは入ってこなかった。

体の熱さや、酷いめまい。

そして、胸元に走る激痛のせいで、意識を保つのがやっとだったのだ。

「ただの人造人間では、ロゼの入れ物にはならないとね」

「はぁ…あ…、やっ!」

「ロゼの入れ物になれるのは、魔人族の血を引き、その力を持つ者でなければならないと」

サルワの言葉が分からなかった。

魔人族の血を引く者?

力を持つ者?

それが私だと言うのか?

そんなはずない。

だって、私は…。

「アレ…ス…」

そこで、私の意識は途絶えてしまった。

「魔人族でも、魔人の力を使えなければただの人間か…」

サルワは、近くに居た者にペンを返し、私の体を抱き上げる。

「だが、魔人族の力は必ず目覚める」

サルワは、出口へと歩き出す。

「では、始めようとするか。ヴェルト・マギーアを――」