ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「何それ?」

「これは、俺が作った連絡手段用のパソコンだ」

俺は、パソコンに暗証番号を打ちこみ、ある者に電話をかける。

「貴方は発明も得意だったのね?」

「まぁな、小さい頃よく電気(エレクトリシティ)とか、電圧(ボルテージ)とか使って色々と作ってたからな」

ムニンとテトは、少し興味があるのかあちこち見ていた。

見ても面白いところは特にないんだが…。

まぁいいか。

『なに?アレス』

「お、出た!」

パソコン画面には、ある女の子の顔が映しだされた。

『アレスが私を呼ぶってことは、何か大切なことがあるんでしょ?』

「その通りだフィア。今すぐ忘却の山に来てくれるか?」

『忘却の山?!』

フィアは、飲んでいた紅茶を吹き出しそうになりむせた。

そりゃあ、驚くよな。

何の説明もなく忘却の山に来いなんて言われたら、俺でも吹くわ。

『もしかして、何か私の記憶で消したいことでもあるの?』

フィアが邪険そうに俺を見てくる。

そんなのもちろん誤解だ。

「そんなわけないだろ!理由は来てから説明する」

『はいはい、分かったわよ』

「なるべく早く頼む」

『了解』

フィアとの通話を終わらせ、パソコンをリュックにしまう。

「フィアって子は、一体誰なの?」

「そいつなら知ってる」

ムニンは、歩きながら手帳を取り出す。

「氷結の魔道士フィア。エアトート魔法学校には在学していないが、その実力は紫雫に匹敵するほどの力の持ち主だ」

「へぇ、ソフィア以外にそんな子が居たのね」

テトは、そう言うと何故か疑わしげな目で俺を見てきた。

「なんだよ…?」

「別に、貴方にはソフィアがいるのに、まさか他に女が居たなんて」

「はぁ?!」

いやいや誤解だ!