ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「くそっ!」

俺は、石垣に拳をぶつける。

「どうするのアレス?忘却の山に来いって言われても、ソフィアからはまだ魔法陣が書かれた紙を貰っていないわよ」

「分かってる!」

俺は、頭の中で思考を巡らせた。

どうする…。

何か方法があるはずだ。

「はぁ…」

テトは、首輪からある分厚い本を取り出す。

「アレス、今から貴方は使い魔と契約しなさい」

「……は?」

なんでいきなり使い魔と契約しなくちゃいけないんだ?!

「今そんなことしてる場合じゃないだろ!」

「いいから、私の言う通りにしなさい!」

テトの瞳が鋭く光る。

俺は、そこから何も言えなくなった。

(こ、こわ…)

俺は、部屋にあったチョークを適当に借り、テトに言われた通り魔法陣を書く。

使い魔の魔法陣を書くのは初めてだったから、これで本当に使い魔が出てきてくれるのか不安だ。

変な使い魔が出てきたら嫌だし…。

「いい、これから貴方はムニンを出すのよ」

「ムニン?」

「ムニンは、使い魔の中では優秀な方のこよ、特に記憶に関してはね」

俺は、テトの言葉にピンときた。

「まさか、そのムニンって子に魔法陣を書かせるのか?」

「それもあり出し、ムニンに記憶をなくさないために魔法をかけてもらうってのもありよ」

つ、使い魔っていろんな奴がいるんだな。

じゃあ、テトは何が出来るんだ?

「それじゃぁ、始めるわよ」

テトは、肉球から爪を出すと、俺の指先をひっかいた。

「いった!急に何すんだよ!」

「使い魔の契約には、血が不可欠なのよ」

「はぁ…!」

これってなんか、錬金術みたいじゃないか。

指先から流れる血は、魔法陣の上へと落ちる。

すると、魔法陣は眩い光を放つ。

「さぁ願いなさい、これでムニンが出てこなかったら、ソフィアを助ける手段はなくなるわよ」

「あぁ!」

俺は、目をつぶって願った。

(お願いだムニン。俺に力を貸してほしいんだ。助けたい奴がいるんだ)

そいつは素直じゃなくて、意地っ張りだし、自分が決めたことには最後までやる気のあるやつなんだ。

だけど…。