ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

彼女は帰ってきた。

これでまた、昔のように一緒に楽しく暮らせる。

科学者はそう信じていた。

だが、恋人は人造人間だ。

心も感情も何も持たない。

ただの生きる屍だ。

科学者は、さらに研究に没頭した。

完璧な恋人を取り戻すため。

だが、そのせいで何体もの人造人間が生まれた。

失敗した人造人間を、科学者は殺人鬼として使った。

恋人に似た描写を持つ女性を殺し、その肉体を使った。

だが、それを魔法警察に見つかり、彼は逮捕され死刑された。

それから人造人間の実験は禁忌の魔法とし、使うことも作ることも禁止された。

「じゃあ、サルワはロゼを入れる為に、人造人間の実験をしたのか?」

「あぁ、だがそれは失敗に終わったようだが…」

失敗に終わったのは、目の前にあるガラスケースの中にあるものが証明していた。

「だが、サルワは見つけたんだ」

「え…?」

「ロゼを入れる入れ物を…」

「ど、どういうこと…だ?」

ロゼを入れる入れ物だと?!

だって、人造人間の実験は失敗に終わっている。

なら、何にロゼを入れると言うのだ。

「それは…」

「それは、君のことだ」

「え?!」

突然私の耳元で声が聞こえた。

「ソフィア!」

私は、抵抗する間もなく、男に手首を掴まれる。

「いたっ!」

手首を後ろに回され、抵抗が出来なくなってしまった。

「なぜ、お前がここにいる!」

「サルワ……」

「君を迎えに来たんだよ」

「うっ!」

サルワの拳が私のお腹に打ち込まれた。

私は、そのまま意識を失った。