ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「こ…、これは…」

思わず口元を抑えた。

ガラスケースの中にいる者の体からは、内蔵が飛び出でいて、手足に肉はなく、体がバラバラになって浮かんでいたのだ。

「人造人間(ホムンクルス)の実験ね」

テトがガラスケースの前へと歩いてくる。

「人造人間だと!そんな…」

人造人間を作ることは、この国の法律では禁止されている。

なぜなら、それは禁忌の魔法だからだ。

「人造人間の実験が禁止されたのは、大昔の科学者が原因だ」

数百年前―――

そのある科学者は、幼馴染の恋人がいた。

その恋人とは、心から深く愛し合っていた。

その恋人の腹の中には子がいて、二人は結婚をまじかにひかえていた。

だけど、実験は起こった。

科学者が出かけていたある日、恋人は殺された。

帰ってきた科学者が最初に目にしたのは、血の海に横たわる恋人。

もちろん、恋人は死んでいた。

腹の中の子も…。

恋人を殺したのは、隣の家の男だった。

彼は、彼女に恋をしていたのだ。

だが、彼女には科学者がおり、腹の中には子がいた。

彼は、自分のものにならないのなら、彼女を殺そうと考えた。

それが、全ての始まりだった。

科学者は、彼女の亡骸を大切に保管した。

もう一度生き返らせるために。

科学者は、人造人間の実験に没頭した。

そして、科学者は成功させたのだ。

心も感情を持たない人造人間の実験を…。