ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

【アレス】

「ほんと、よく思いついたわね」

「彼女が記憶を消せるなら、その魔法があると考えた。それに、その魔法をかけた者は、自由に記憶をいじれるとも思った」

「正解よ。でも、禁断の図書室でよく見つけたわね」

「これでも時間かかったんだぞ」

俺は、制服のポケットからある物を取り出す。

「それは?」

「マジックアイテムの一つ“記憶の保存(メモリーセーブ)”だ。この眼鏡をかけて魔法書を読むと、1日で色なことが頭に入ってくる」

「ソフィアなら喜んで手にしたがる物ね」

「そうだろうな」

俺は、ソフィアに目を向ける。

「だけど、あいつは手には取らない。ソフィアは、自分で努力して覚えようとするからな」

「それはそうよ。ソフィアだもん」

「そうだな」

あいつは、こんな物には頼らない。

(俺とは違って)

周りのみんなは、俺を天才とか秀才って呼ぶけど、俺よりソフィアの方が、向いている言葉だ。

「よし、覚えたぞ」

「さすが、早いな」

「当たり前だ」

でも、ソフィアはそれを鼻にかけない。

「それで、どうやって使うの?」

「まず、魔法陣を書いた紙を、私とアレスとテト、それぞれ一枚持ってもらう」

魔法陣の書いた紙?

「多分奴らは、体の何処かにこの魔法陣を刻んでいると思う」

「あー、なるほど」

「でも、この魔法陣は行く直前に書いた方がいいかもしれない」

「なぜだ」

ソフィアは、呆れたように俺を見る。

「なくしたらどうする」

「そ、それもそうだな」

確かに、なくしたら洒落にならないからな。