ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「それでアレス、教団の場所は特定できたの?」

テトが話題を変える。

「まぁな」

「は、早いな…。二日前までは分かっていなかったのに」

「時間が無いからな…」

アレス、持っている封筒から紙を取り出す。

「俺が調べたところ、奴らは扉で移動している」

「扉?」

「あぁ、サルワ達が逃げるとき使っていた扉だ」

その時私は、眠っていたんだっけ?

「扉で移動しているって事は、転送魔法を使っていると考えた」

「瞬間移動(テレポーテーション)みたいな感じか?」

「そうだな。でも、奴らが使っているのは、少し違う」

「違う?」

「瞬間移動は、自分が行った所に飛ばすことが出来る。しかし、奴らは学校に初めて来た」

私は、少し考えてみる。

「あの召喚魔法の時と同じく、魔法陣を使っているのか?」

「流石だソフィア。その通り、奴らは魔法陣を使って扉を使っている。きっと、あの中で魔法陣を書く者が居るんだろう」

だからあの時、サルワの言葉で一斉に散らばったのか。

それで、その内の一人は、私たちがワイバーンや小龍に気を取られているうちに、魔法陣を書き上げると。

「奴らは、沢山のロゼを持っている。だから召喚魔法なんて何処でも使える」

「なるほど」

「てなると、あの扉はただの扉だ」

「手が込んでるいるな…」

なら普通に魔法陣を使って戻ればいいのにな。