ヴェルト・マギーア ソフィアと黒の魔法教団

「そうか?ただの普通の男に見えるが?」

「ソフィアとアレスくんは幼馴染なんだっけ?」

「そうだよ。あまり覚えていないけど」

女子に囲まれたアレスは、対応に困っているように見えた。

あいつが周りにどんな奴を連れていようが、私には全く関係の無いことだ。

「あ、もうこんな時間だ!」

ミッシェルは、慌てて立ち上がる。

「それじゃぁまたねソフィア!」

「うん」

ミッシェルは、校舎の方へと走って行った。

どうやら、これから恋人に会うらしい。

「恋人ねぇ……」

私は、空を見上げる。

「今日は青いな…」

その時何故かアレスの顔が浮かぶ。

「な、何であんな奴の顔が浮かぶんだ」

私は、立ち上がり寮の方へと向かう。

風が私を通り過ぎていき、マントがなびく。

「機嫌悪そうね」

何処から来たのか、テトが私の肩に乗る。

「どこに行っていたんだ?」

「散歩よ。今日はとてもいい天気だからね」

確かに、久しぶりにとてもいい天気だと思う。

学校が襲われたなんて感じられないくらい、今日はとてもいい天気だった。

「アレスに声かけなくていいの?」

「用事もないのに話しかける必要がないだろ?」

「用事がなくても、声くらいかけてもいいと思うわよ」

「めんどくさい…」

そう言い捨て、歩きだそうとしたら。

「おい、ソフィア!」

アレスに呼び止められた。